銘仙の絵柄はこうして現代の生地に生まれ変わる
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MEISENNEの商品を手にしたとき、「この柄、モダンなのにどこかちょっと懐かしい気持ちになる」と感じる方がいるかもしれません。それもそのはず、MEISENNEのテキスタイルは、大正から昭和初期に実際に存在した「伊勢崎銘仙」の絵柄が、現代の技術によって生まれ変わった姿だからです。
MEISENNEのテキスタイルが出来上がるまでの工程は、3つのステップで成り立っています。
① 本物の銘仙を、高解像度で記録する
出発点は、実物の銘仙着物や反物です。「華々」(伊勢崎銘仙の店)から仕入れたものや、スタッフが独自に収集したものを、高解像度で撮影・記録します。時代を超えて残ってきた布の色と柄を、できる限り正確にデータとして残すことが、この工程の目的です。
② グラフィックデザイナーが、デジタルで忠実に再現する
撮影したデータをもとに、グラフィックデザイナーが絵柄をデジタルデータとして再現します。このとき最もこだわるのが、銘仙の絣特有の「掠れ」の再現です。絣の絵柄には、手仕事ならではの輪郭の滲みや揺らぎがあります。それをはっきりとした線に整えてしまうと、銘仙らしさが失われてしまいます。デジタルでありながら、あえて「きれいにしすぎない」ことが、MEISENNEのテキスタイルの肝です。
もうひとつ、この工程で重要な作業があります。絵柄のサイズと幅の再構築です。銘仙の着物柄は、着物として仕立てることを前提に設計されているため、絵柄が大きめに描かれています。そのままバッグや洋服に使うと、柄の一部しか見えなかったり、全体のバランスが崩れたりしてしまいます。そこで、絵柄の魅力はそのままに、現代の小物や洋装に合うサイズへと描き直しています。
さらに、反物の幅(約40センチ)に合わせて描かれていた絵柄を、現代の生地幅(約150センチ)に対応するよう再構築しています。足りない部分は絵柄を描き足し、広幅の生地全体に柄が美しく展開するよう丁寧に仕上げます。この作業があるからこそ、MEISENNEはバッグ、アパレル、小物と、幅広いアイテムへの展開が可能になっています。
③ ジャガード織で、布として織り上げる
完成したデジタルデータをもとに、ジャガード織で生地に仕上げます。ジャガード織は、複雑な柄を高い精度で表現できる織り技術です。銘仙のにじみと揺らぎを宿したデジタルデータが、ここで初めて「触れる布」として生まれ変わります。
大正の女性が纏った銘仙の柄が、こうして現代のバッグやスカートへと姿を変えていきます。「再現」しながらも、現代の暮らしに馴染むよう丁寧に「再設計」する——その丁寧かつ繊細な作業の積み重ねで完成するのが、MEISENNEのテキスタイルです。